パイク / Pike

Ro的利用価値 : A + +
Atkこそ低いものの、
S4である利点をもって、Str90ほどで実用範囲となる
片手槍にカードを挿すつもりなら、パイク以外に考えられない

片手槍最大の利点は、盾が持てること
Lv.90↑では、Agi型であっても盾の存在はとても重要だ
したがって、多くの者にとっては後半の主力武器となる

詳細

パイクは、対騎兵用武器として15〜17世紀にかけて
ヨーロッパ各国の軍隊で使用されていた武器です

5〜7mの長い柄の先に、木の葉形をした25cmほどの刃が付いています
15世紀の歩兵槍のことをフランス語で"ピケー(pique)"と呼んでおり
これが語源と言われています

始めて歴史に登場したのは15世紀のスイス

それまでハルバード戦斧で戦っていたスイス兵たちは、
それらの武器が敵国であるオーストリアの騎兵たちに
対抗するには短すぎ、いくつかの戦いに敗れていたそうです

絶大な破壊力を誇る騎兵の突撃から身を守るのは、事実上不可能

馬の脚力と全重量をランスに乗せるランス・チャージは、
言ってみればバイクに正面衝突されるようなものだからです
そこで、「ランスよりも長い槍で敵の攻撃を食い止める」ことが考えられ、
その為に考案されたのが、パイクです

ずらりと隙間無くパイクを並べて槍衾(やりぶすま)を作り、
敵の騎兵の突撃を阻止しました

パイクの初陣

1422年6月30日。ミラノ公とスイス軍による「アルべドの戦い」
この戦いで、はじめてヨーロッパにパイクが登場しました

長い柄を持つパイクを駆使したスイス兵は
当時のイタリアで随一と言われていたミラノ騎兵を撃退し、
これによってパイクはスイス軍の主要兵器となりました

当時のスイス兵がヨーロッパで最も強力な軍隊と呼ばれたのは
パイクによるもの、と言っても過言ではありません

パイクの効果

パイクの柄は長く、対騎兵のみならず、
歩兵との戦いでも大きな効果を発揮しました

パイク兵たちは戦場で多くの有利な点を持っていたために、
しばしば退却しようとした騎兵や歩兵の援護の役も担います

後世で火器が登場した後も、
マスケット銃や装備した部隊が弾込めや隊形を整えている間は、
パイクが彼らを援護するために活躍しました

パイクの歴史は17世紀の終わり頃、
当時既に主要武器であったマスケット銃の先に
短剣を取り付けて使用する銃剣(バヨネット)が登場するまで続きます

バヨネットは現在でも使いつづけられていますね

Roでのパイク

ROでのパイクは片手槍。しかも騎乗で軽々と振っています
これは名前だけを拝借したとしか思えませんが、決め付けるのは尚早
パイクと形状が似ている事から、ハーフ・パイクと呼ばれた武器があります

ハーフ・パイクは主に歩兵部隊の下士官が指揮棒として用いた槍ですが、
「ボーディング・パイク」の別名として、良く混同される武器でもあります

ボーディング・パイクは、
ボーディング(攻撃・拿捕目的で敵船に乗り込むこと)
-- を行おうとする敵を、撃退する為に使用された武器です

狭い船上で使用するため、パイクのような長い槍ではなく、
どちらかといえばショートスピアーに分類される比較的短い槍です

アメリカ独立戦争時にイギリス軍によって考案され、
船上での有用性からアメリカ軍でも使われて、
ヨーロッパにも広まった優れた武器です

こっちのほうがソレらしいかもですね

おまけ

かのアレキサンダー大王で有名なファランクス(重装歩兵密集陣)
-- を構成する長い槍もパイクと分類する事はできます

ただ、それは正式には「サリッサ」と言います

使い方などパイクそのまんまですが...
このような極端に長い柄の武器は、扱いにくい上に
部隊の動きまで制限してしまう為、その時は廃れてしまいました

なので後世、ルネサンス期に「パイク」として正式に登場する武器と、
直接的な関わりはありません

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