Web標準に従う、ということ
Saturday, Nov 05, 2005 - 20:03 +09:00
Sig.が思うに、Web標準(仕様)に従うことには3つの意味があります。
- 誰が見ても理解しやすい
- 構造と表現の分離が、分業を容易にする
- ブラウザの表示ズレをある程度予想できる
どれもがコスト削減(効率性の獲得)に繋がり、また閲覧者のためにもなります。
軽くまとめてみました。
誰が見ても理解しやすい
Web標準に従うHTMLは必ず、開始タグと終了タグで囲まれ、属性には値があり、タグ内は小文字で統一され、要素はその意味に応じて適切にマークアップされます。結果的にその役割を明確に定義され、人が見て理解しやすく、プログラム的にも扱いやすいものとなります。
コードを覗いたとき、それは人にとって理解しやすいだけでなく、いわゆるマシン・リーダブルな媒体でもあります。つまり人にとっても機械にとっても、<h2>はコンテンツの見出しであり、<p>はパラグラフであり、そのなかで特に強調したい部分が<strong>であって、<dd>は<dt>の説明文です。このようなテキストの「重み付け」は、Googleの検索アルゴリズムなどで実際に利用されています。
構造と表現の分離が、分業を容易にする
Web標準では、文章構造(要素の意味)と表現(レイアウトや文字色など)を明確に切り分けています。つまり、要素の意味はHTMLで適切に定義し、視覚的な調整をCSSで行う... そういった役割分担を推奨しています。
デザイン的な微調整をCSSに集約すると、HTMLをシンプルに保つことができます。シンプルなコードはメンテナンス性が高く、修正箇所を発見しやすい上に外観を崩してしまう危険性を極力減らすことができます。作業的にも「HTML→CSS」と段階を踏むことによって、HTMLが完成した時点で、プログラミングとCSSコーディングを並行して行うことができます。
ブラウザの表示ズレをある程度予想できる
Webページを表示する各種Webブラウザには各々に"癖"があり、同じ記述方法でも同じように表示してくれないことはよくあります。とはいえ大部分の問題には再現性があり、同じブラウザの同じバージョンで同じ記述をすれば特定することができます。
したがって「Web標準」という1つの厳格な基準に従うことによって、多くの問題の回避方法を浮き彫りにすることができます。ある書き方で問題が起こるなら、そのように書かなければ良い。ある書き方が特定のブラウザにしか効果がないなら、それは「特定のブラウザだけの指定」として利用できる。そうしたトライ&エラーを繰り返すことによって、自然と問題の起こらないコーディング方法が身に付いてきます。
まとめ
Webにおける標準を定めているW3Cは学者集団なので、Web標準がWeb制作現場の実情に必ずしも即しているとは言えません。彼らが見ているものは現実の先にあるものであって、彼らが打ち出すものは現在の解決策ではないからです。しかしトップレベルの頭脳が集まっているだけあって確かに素晴らしいソリューションであり、彼らの仕様に従うことが将来的に「確からしい」ことは信頼できます。
事実としてテーブル・コーディングは廃れつつあり、Web制作者たちはCSSコーディングに四苦八苦しています。今後数年のうちにHTMLが消えることはないでしょう。XMLやCSSが打ち出されたのは随分前のことですが、最近になって活気付いてきました。FLASHが台頭していますが、(情報の"共有"という点において)FLASH技術がWebを独占するということは考えにくいことです。
Web標準を学ぶということは、自らにとって5年先、10年先にも無駄にならない確かなスキルになる。俺はそう信じてます。
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2 Comments
- 1. 5-star / November 06, 2005 at 22:21
勉強になります...。俺はこっち方面でのプロは目指してないですけど、関心あるしSig.さんみたいな方の会見とか聞けるのは素直に嬉しいのデス。まだまだHTML辞典とか見てもわからないところ多いですしね。こっち系の話題は本来のサイトの趣旨からは外れるかもしれないけど、俺はいつもすげー楽しみにしてますw
お仕事とか頑張ってくださいね!!
- 2. Sig. / November 07, 2005 at 00:18
ありがとう。そう言ってもらえると、励みになります^^
確かにサイトの主旨とはズレますが、予定している第三次サイト・リニュに向けて、密かにメインに据えようかと計画してます。こっち系の話題は、実益が物凄いのでっ!
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