紅茶の淹れ方
Monday, Nov 22, 2004 - 00:05 +09:00
紅茶の淹れ方として最も正統かつポピュラーな方法が、
英国式の「ゴールデンルール」です。
紅茶にはリーフ(茶葉)と、ティーバッグの2つの選択肢がありますが、米国で考案されたティーバッグは手軽さが売りですが、味がリーフに劣るとされています。でも、ティーバッグでもゴールデンルールを守りさえすれば十分に美味しく淹れることが可能です。
1.ポットで淹れる
ポットで紅茶を淹れることの一番の意義は、「茶葉を対流させる」こと
茶こしに葉を入れ、お湯を注ぐだけでは渋みだけが出てしまいます
茶葉から美味しい成分を抽出する必要があるのです
そこでポットを使用します
ポットに沸騰した湯を入れると、茶葉が浮かんだり沈んだりして移動・対流をはじめます。これは茶葉がジャンプしているように見えるので、「ジャンピング」と呼び、透明なポットを使用すれば、その様子を眺めて楽しむこともできます。
ではどんなポットが良いかと言うと、対流が起こりやすい、球形のドームのような構造が適しています。保温性に優れたものが良く、金属は放熱しやすいので避けたほうが良い。特に鉄(茶こしを含む)は、紅茶の色と味にダイレクトに響くので厳禁です。ガラス製は放熱の問題がありますが、ジャンピングの様子が見れるという利点があります。
近年好まれているポットに「メリオール」というものがあります。カップに注ぐ時にフィルターをぐっと押し下げる、円筒形のガラス・ポットです。 細長くて対流が起こりにくく、葉を強く圧縮すると渋みが出てしまうし、 すぐ冷めてしまうこともあって、紅茶には向いてません。
メリオールは、もともとコーヒー用に考案されたものなんですよ?
2.茶葉の量を正確に量る
なんでもそうですが、特にはじめて淹れる時には
茶葉の量をきちんと量ることが大事です。
基本はカップ一杯に、ティースプーン一杯... だいたい3g弱が適当といえるでしょう、慣れたら加減するべし。紅茶は濃く淹れてもお湯で薄めるということができるので、迷うようなら薄めより濃く淹れるようにすると良いでしょう。
3.汲みたての水を、完全に沸騰させて使用する
汲みたての水には、新鮮な空気が多く含まれています
この空気が味をまろやかにさせ、ジャンピングを起こす助けになります
お湯の温度が低いと茶葉がぜんぶ浮いてしまい、ジャンピングが起こらず、結果として紅茶の味が引き出せません。日本茶と違い、紅茶は生葉をしおらせ、揉み、発酵させているので、低温のお湯では美味く抽出しきれないのです。
このため、高温を保つことが美味しい紅茶の秘訣です。保温性のあるポットを使用し、あらかじめお湯を入れて温める。それでも火を止めてポットに注ぐまでに5℃は冷めてしまいます。水質を一定に保つためにも、2~3分は沸騰させたほうが良いでしょうね。
水について、紅茶には軟水が適しています。日本の水は軟水なので、水道水で良いのです。飲んで美味しいならそれで良く、赤錆やカルキ臭が強いものはダメ。ミネラルウォーターは空気が含まれておらず、多くは硬水なので不適切。天然水や純水は軟水なので、少しはマシ。
4.しっかり蒸らす
- ポットにお湯を入れ、
- ジャンピングを起こさせ、
- それが収まって茶葉が底に沈むまで待つ
以上が蒸らす時間になります。この間に紅茶の味・香り・水色が引き出されることになるので、紅茶を淹れるときに最も重要な部分ともいえます。時間的には、だいたい2~3分ってところ。慣れたら調整して行くと良いでしょう。蒸らしてる間にトースト焼いとくと、ちょうど良いねっ!
ティーバッグで淹れる場合
ティーバッグに入っているのも、本物の茶葉です。 なので基本的には上記のゴールデンルールを守れば問題ないけど、細かく砕かれているため、"蒸らす"時間はリーフよりも短めが良いでしょう。
ポットで淹れたほうが美味しいのですが、カップで淹れる場合はソーサーで蓋をしておくと、ポット代わりとして蒸らすことができます。蓋をしたほうが味も香りもぐっと違うので、試す価値はありますよ?
ティーバッグを入れる際、お湯の後に入れるか先にいれておくかは大きな問題では無いのですが、先に入れるとティーバッグに空気が入って浮かんでしまうので、後から入れたほうが楽ではあります。
注意事項
ティーバッグは色が良く出るように作られています。
なので色だけを見て何杯もとる、ということは避けたほうが無難です。大抵は1個につき1カップと言う計算で作られているので、美味しく淹れるコツは、贅沢に使うことです。蒸らし時間を長くとったとしても品質的には1.5杯が限界でしょうね。ティーバッグを引き上げる際にぎゅっと絞るのも、渋みが出るだけなので止めときましょう 。
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