米国 : アメリカ大統領選挙
Wednesday, Nov 03, 2004 - 00:58 +09:00
米大統領選挙戦について
アメリカ大統領は直接選挙のイメージが強く、
「全人民から選ばれるただ一人の公職者
」(第七代ジャクソン大統領)
などと呼ばれることもあるが、国民が選挙で選ぶのは「選挙人」であり
その選挙人が大統領を選ぶので、形式的には間接選挙に当たる
元は選挙人の選出も州議会が行う「二重間接選挙」だったが、
19世紀になって、州議会ではなく住民が選挙人を選ぶようになる
選挙人の人数は538人で、州ごとに数が決められており、
上下両院の議員定数の合計に等しい
ところが各州の上院議員は州人口と無関係に2議席
人口33,800,000人で最大のカリフォルニア州は下院定数53+2人
人口500,000人のワイオミング州では下院は1人だが、上院は2人
つまり選挙人一人当たりの人口だと、
カリフォルニアの61万人に対し、ワイオミング州は16万人
この場合の一票の格差は、実に 4:1 に匹敵する
だがそれ以上に問題なのは、「勝者総取り」制という存在
一票でも多く得票した方が州の選挙人を全部獲得する、というもので
19世紀に各州で一般化したもの (ただし憲法規定ではない)
典型的な例が、「ブッシュ vs ゴア」でのフロリダ
選挙人は25人、2,920,000強の得票のうち、500票差でブッシュが勝利
このときの両候補の獲得選挙人は 13:12 ではなく、25:0 である
つまり総得票数は選挙人数と比例せず、逆転すらありうる
当時の選挙では、ゴア氏は総得票でブッシュに500,000票上回ったが
フロリダで負けたために、選挙人数でブッシュ氏に5人負けた
勝者総取り制への疑問は起きており、2004年11月3日現在、
ネブラスカ州とメーン州は「比例割当方式」を採用している
米大統領選は全世界の注目度も高く、
アメリカでは政治参加が熱狂的に行われているように感じるが、
実際の投票率は大統領選で50%前後、中間選挙では30%半ば
これは先進国で最低の数字らしい
(ちなみに日本だと、2004年の知事選挙の投票率が37%~63%)
ま~いくら本国で意識が低くとも
「唯一の超大国」の指導者を選ぶ選挙は世界的に注目されるわけで
一国路線を貫くブッシュよりも、国際協調を重視するケリーのほうが
欧州や中東、最大の同盟国である英国ですら支持されている
ケリーを応援するってより、ブッシュが嫌だってのが本音のようだけど
それでも21:00の時点ではブッシュ勢が「勝利を確信」してるって状態
Sig.としては、ブッシュは感情的なところがあるから嫌なんだけどな~
時に感情を露にするブッシュは国民に受けがよく、
対して冷静とされるケリーは識者に受けが良いようだ
米国内の主要紙はこぞってケリー支持を表明している
結果
ブッシュ氏の勝利
ケリー氏の「敗北宣言」によって、
前回の ゴア vs ブッシュ のような混乱は起きなかった
2期目を迎えたブッシュ政権の課題は、財政と貿易の莫大な赤字対策
米大統領は2期までなので、次回からブッシュは降りることになる
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