国連 : ユネスコ憲章とユニセフ

Wednesday, Oct 06, 2004 - 00:54 +09:00

生涯学習の講義で、興味深い意見を頂きました。
ユネスコ憲章の一文に端を発します。

戦争は人の心の中で生まれるものであるから、
人の心の中に平和の砦を築かなければならない

ユネスコ(UNESCO )の正式名称は、
United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization

二度にわたる世界大戦の悲劇は、無知と偏見からなる差別と不平等から起きたとし、すべての人に充分で平等な教育の機会が与えられるべきだ、という理念に基づいて1945年に設立されました。異文化の理解 (交流事業とか)、教育の保証 (子供・成人に対する基礎教育の教育の機会)、文化的生活、基本的人権、表現の自由の保証などを掲げていて、世界遺産の指定と保護なんかもやってます。

先の一文はユネスコ憲章の一番初め(前文)の記述で、ユネスコ設立の目的と、その精神を顕著に表した一文として有名なのだそうです。

ユネスコ憲章

このユネスコの理念には、Sig.が強いシンパシーを感じた部分があります。簡単に言うと「教育は心を自由にする」というところです。

つまり、教育を受けることによって物事を主体的に判断する事ができるようになる。為政者の掲げる真理をただ鵜呑みにするのではなく、入手可能な情報から自分で判断して立場を決める事ができます。例えば民衆が自爆テロに走るのは、それ以外に選択肢が無いからです。彼らに文化的な生活を保証し、基本的人権を約束し、自由に教育を受けられる環境さえ用意すれば...

いろいろな事を知って、たくさんの事を見聞きし、考え、発言し、議論する。そうすることで世界は驚くほど広く感じられる、とSig,も実感しています。この理念に対する各国の関心は高く、ユネスコの加盟国は188ヶ国を数えます。

ユニセフ (国際連合児童基金)

UNESCOとよく混同されるものに、UNICEFがあります

ユニセフUNICEF )の正式名称は、
United Nations Children's Fund ですが、略称は旧称の
United Nations International Children's Emergency Fund から。

戦後の緊急援助のうち、子供を対象とする活動を主として設立されたものです。日本も'49年から'64年にかけて、脱脂粉乳などの援助を受けています。次第に活動の枠を広げ、'53年に正式名称が現在の物に変更 。戦争や内戦で被害を受けている、子供の支援を活動の中心としています。「子どもの権利条約」の普及にも意欲的ですね。

かつては物資の援助が活動の中心でしたが、生活の自立が無ければ無限に援助し続けても状況は変わらない ...という発想に基づき、主に親に対する教育活動にも力を入れています。この辺がUNESCOと混同される所以ですね。

世界では、毎年5歳以下の子供の死亡数は3万人↑と言われており、死因の殆んどは下痢などの脱水症状だそうです。これは、電解質を含んだ水(ポカリとか)を飲ませることによって簡単に予防できるのですが、これが巧くいかないそうです。つまり、それを親に説明しても理解してもらえない、と。

ちょっと信じられないかもしれませんが、医者に診せずに呪い士のもとに連れていく親も未だ多いのです。きちんと濾過した水に、塩だか砂糖だかを混ぜれば良いんですけどね。そういった科学的な論理を信じてもらえないのだとか。

そういった理由から教育の必要性も強く、
その点でUNESCOの活動と重複しています

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