中国 : 尖閣諸島

Thursday, Aug 12, 2004 - 01:02 +09:00

尖閣諸島とは、1972年5月から日本が実効支配している沖縄本島の西側... 宮古島や西表島の北側に位置する島嶼郡です。
中国側の呼称は“釣魚島”

日本の領土問題の1つであり、1895年から一貫して領有している日本側と、1971年から領有権を主張している中国・台湾側で行われます。1970年以前の地図や公文書によれば、日中両国ともに日本領であると認識していたようで、敗戦後の米国による施政時にも中国側が抗議をした事実はありません。

1968年10月から11月にかけて行われた学術調査によって、周辺海域に石油があるらしいと判明しており、これが中国・台湾両国が領有を主張し始めた切っ掛けではないかと考えられています。

対応・状況

政府レベルでは両国ともに話し合いによる解決を主張していますが、尖閣諸島周辺の日本領海内で中国軍の海洋調査が繰り返されたり、
中国人活動家が抗議として領海侵犯を繰り返したりと、問題が多い。

これらの実力行使に関して日本側は事あるごとに抗議していますが、中国側は無視しています。日本国内では対抗して民間レベルで灯台の建設や定住などの計画もあり、政府はこれを押し留めてています。これは憲法で武力による解決を禁じているため。

中国側の領海侵犯は'96年以降に活発化しており、最近では毎年のように起こる。「中国固有の領土である釣魚台列島(尖閣諸島)を守れ」という運動を、保約運動と言います。'71年にニューヨークの中国人の間から発生したのが始まりらしいです。

日本国内では「無理を通せば道理が引っ込む」という過激な活動に嫌悪感を表す者も居るし、「中国政府の別働隊では」と疑う者も居ます。一方で「純粋な市民の活動」と見なすものもいて、Sig.はこれに賛成。

経緯

日本政府は中国(清)の支配が及んでいないと慎重に調査をしたうえで、1895年に尖閣諸島を沖縄県に編入しました。この決定は非公開で周辺国にも通知はされませんでしたが、国際的にも日本の領土だと認められています。以後一貫して領有してきた、というのが日本の主張

中国・台湾は、国定教科書や地図の中でも尖閣諸島を「日本領」としていたのですが、'71年の海洋調査以降、領有権を主張し始めました。'96年以降、中国側の活動家たちの領海侵犯も頻発しています。

台湾前総統・李登輝の発言(2002年)

尖閣諸島は「台湾にも中国にも属さない」

この発言に中国の民衆は猛反発した。

中国が自国民に対して徹底した情報統制を行っていることは、よく知られています。だからといって中国政府が誤った情報を流しているかは邪推に過ぎませんが、民衆が十分に情報を得られる環境ではないことは確か。反発は単に誤解・感情的なものと見られなくもないですが、保約運動が始まったのはニューヨークだから... どうなんだろう?

争点

領土問題の争点としては、

  1. 誰が最初に発見し、実効支配をしたか
  2. 1895年の日本による尖閣諸島編入の有効性
  3. 第二次世界大戦の戦後処理の妥当性

...が、主だったものとして挙げられます。

Sig.の感想としては、中国側の主張には一理があるものの、感情的で"こじつけ"な感じが拭えない。日本側の主張の方が理路整然としていて、法に適うように思います。とはいえ、たとえ日本側の主張が正しいのだとしても、中国側がそう主張する限りは無碍に扱う訳にはいきません。何事も理屈だけが全てではないからです。

結論

やはり、話し合いでの解決しかないでしょう
それも長い長い、地道な外交努力によってしかない

領土問題は極めて複雑な問題で、利権のみならず国民感情も絡んできます。短期的な決着はありえないし、かえって思いを遺すことになるでしょう。ただ、中国人活動家が話し合いの席すらも拒否している点が残念です。

民衆の反日感情は膨れ上がり、既に政府の管理を離れています。中国政府にそれを抑える能力がないことは、図らずもアジア杯(2004年)で証明されてしまいました。せめて中国の民衆が、自由に情報を入手できたらと常々思います。共産党政権の現状からして、それはありえないだろうけど... そうでなければ、事態はいつまでも平行線ですね。

切っ掛けさえあればテロにすら繋がりそうで、少し怖い

参考 : ウィキペディア(尖閣諸島領有権問題)

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