北欧神話 / オーディンと主要十二神

北欧の神々は、大きく2つの種族に分けられる
戦いの神であるエシールと、豊饒神であるヴァニールの2つだ

一般に前者はアース神族、後者はヴァン神族と言われる
エシールとヴァニールは初め争っていたが、人質を交換することで和解し、
ヴァニールがエシールに取り込まれる形で争いは収束する

オーディン / Odin

第一位の神。万物の父にして支配者
知識と芸術と戦いと死を司る、アース神族の長

天と地と、その狭間にある全ての物を創り出した創造主
何よりも戦いの神であり、勝利を鼓舞し、敗北を決定させる
その力は優れた詩を書かせることにも繋がり、故に詩の神でもある
死者と語らい、各地を放浪し、九界を見渡せる知識の探求者
知識を得るために片目を差し出し、ルーンを掴むために
自らを贄とし、世界樹に磔にした

数多くの名を持ち、傲慢で気紛れな選定者
鍔の広い帽子で隻眼を隠し、青い外套を羽織った姿で描かれる
恐るべき神であり、愛される神ではない

トール / Thor

アース神族。雷神にして豊饒神
庶民を庇護し、法と秩序を象徴する第二位の神

豪放な性格で大柄、赤髭、酒を愛し、食欲旺盛
短気だが度量があり、頭は鈍いが強くて頼りになる
神々の中でも随一の力持ちで、数々の冒険譚を持つ
信仰の対象として最も愛され、尊敬された

ずば抜けた人気から、主神として扱われることも多い
オーディンと大地の息子

フレイ / Frey

ヴァン神族の第一位。最重要の豊饒神
フレイヤの兄にして、ニヨルドの息子
平和と豊饒と繁栄を司る神

フレイヤ / Freya

ヴァン神族。美と愛の女神
フレイの妹にしてニヨルドの娘

戦いの神としての側面も持ち、
オーディンと戦死者を分かち合うと言われる
魔法と妖術に長け、運命の知識と予言を得た女神

欲望のままに行動する奔放な女神で、
多くの逸話に登場するが、しばしばフリッグと同一視される

ニヨルド / Njord

ヴァン神族の長老。フレイとフレイヤの父
海と風を支配し、船や航海者を守る

ヘイムダル / Heimdall

おそらくはヴァン神族。人間の守護者
人に知恵を授け、同時に階級を定めたと言われる
鋭敏で優れた知覚を持ち、忍耐強い神々の見張り番
夜目がきき、草が伸びる音さえ聞くことができた

虹の橋ビフロストの近くに立って
ラグナロクまで巨人たちの動向を見張っている

チュール / Tyr

アース神族で最も勇敢な神
オーディンの息子

神々がフェンリル狼に枷を取り付けようとし、
条件として手首を顎に差し入れるよう求められたとき
ただ一人だけ覚悟ができていた神

バルドル / Balder

オーディンとフリッグの息子。最良の者
最も美しく、最も優雅で、最も慈悲深く、最も賢く、
誰からも賛辞され愛される光輝なる神

ロキの指図によってホズの手で殺され、
その結果としてラグナロクの時期は早められることとなる
ラグナロクの後、ホズとともに復活を果たす

バルドルとナンナの息子である正義の神、フォルセティ
決闘の場に良く呼び求められた弓とスキーの神、ウル
オーディンの息子である詩と雄弁の神、ブラギ

バルドルの仇を討ったオーディンとリンドの息子、ヴァーリ
オーディンの仇討ちを果たすオーディンと女巨人の息子、ヴィーザル
2人はラグナロクを越えて生き延びる数少ない神

以上が、オーディンと主要十二神

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