光の神ルー / Lugh
太陽と光の神であるルーは、
知識・技・魔術など、あらゆる技能を備えた万能の神
医術の神ディアン・ケヒトの孫にして、アルスターの英雄ク・ホリンの父
ルーの持つ「光の槍」は北欧のグングニルにも影響を与えている
卓越した技を誇り、あらゆる英雄の原型であるとされる
ダーナ親族と敵対関係であった、フォモール族の王バロールの孫でもある
バロールは「自分の孫に命を取られる」という予言を受けており、
この予言を恐れて娘のエスリンを塔に閉じ込めていたが、
ディアン・ケヒトの息子キァンがエスリンを見つけて
逢瀬を重ね、やがて子供を作ってしまう
このことは、すぐにバロールの知るところとなるが、
常若の国ティル・ナ・ノーグ(Tir Nan Og)の王、海神マナナーンの助けで
なんとかキァン親子は逃げ延びた。しかしマナナーンに報酬を請求され、
何も持っていなかったキァンは、息子のルーを差し出すことになる
時が過ぎ、マナナーンによって立派に育て上げられたルーは
あらゆる知識と技術を身につけ、魔剣アンサラーと槍を使いこなしていた
特に投擲武器の扱いが卓越していたことから「長腕のルー」と呼ばれ、
全能の太陽神としてダーナ神族に迎えられる
やがてフォモール族との戦いが始まり
フォモールの王バロールを討ち取って予言は成就された
バロールは目にした者を死に至らしめる、強力な魔眼の所持者であったが
ルーはその魔眼が開ききる前に武器を放って瞳を貫いた
投擲武器に卓越したルーならでは、と言えるだろう
ルーの持つ魔剣は十字剣フラガラッハという
「報復・返答するもの」という意味で、これを英訳したのが魔剣アンサラー
もとはルーの養父であるマナナーン・マクリル(Mananán mac Lir)のもので
敵を惑わして死に誘い、いかなる鎧をも容易く貫いたと言われる
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