デザイナは雇うな

Thursday, May 04, 2006 - 19:50 +09:00

珍しく興味深い特集が組まれてたので、まとめてみた。

ざっくり纏めると、そろそろWeb業界もまっさらな未経験者を受け入れるリスクを意識し始めており、2006年はWeb業界の新規参入者にとって試練の年となりそうだ、と。その背景には、人手不足から猫の手も借りたいほど忙しい状況と、本当に猫の手程度の人を雇ってしまうと逆に忙しくなってしまう現実がある。制作会社によって多少の差異はあれど、概ね採用には慎重になりつつある気配だとか。

うちの事務所でも、採用には「即戦力が前提」という方向にシフトしてきています。人を雇っても育てられないというのが問題で... つまり技術を教えるのは簡単でも、技術の使い方までは教えられない。時間的にも、能力的にも。

Webサイトを作るためには、Webについて語れるだけの知識が要ります。Webを知らない人に、Webサイトは作れない。技術だけの人には単純作業しか任せられない。そしてWebを知るためには、実感を伴った経験が必要です。習慣といってもいい。それは本人の意識や傾向の問題で、口で伝えられるものではないのです。

モジュール単位での開発ができないことにも問題がある。デザイナなんか特にそうです。サイト単位での分担はできても、パーツ単位での分担は(それを単発でなく体制とするには)かな~り難しい。つまり、ある程度まとまった量を個人の責任でこなす必要があります。そしてそれを任せるには、それなりの力量が要る。

そんなこんなで「誰か良い人いない?」って言葉がWeb制作会社の合言葉になってきたとき、既に売り手市場のWeb業界には「経験なくてもできる」イメージができちゃってた訳です ...そこら辺が今後の課題なんでしょうね。とりあえず応募者の認識が改まるまで"買いを控える"のもひとつの手だということ。

蛇足

よく「仕事をしながら覚える」と言いますが、俗に言うOJT(On the Job Training)というものは、実はそれなりの実力と経験をもった人材が複数人存在しなければ成立しなかったりします。未経験者に可能な仕事を継続的に用意するにも教育プログラムを組むにも企業規模が必要なので、社内研修が難しい中小企業では外部のセミナーや研修会を利用することが多かったりとか。

Web業界は数人単位の事務所が中心。OJTには限界がある。

そうはいっても現実的に「実力のある新人」の確保は難しいでしょうから、教育の体制は整えておく必要があります。前述したように、事の本質が個人の意識にある以上、詰め込み教育の効果は疑わしいので... その線で考えると、セミナーやオフ会を積極的に回ってみるのもひとつの手かもしれません。あるいは「Webが好きだ~っ、楽しいんだ~っ!」てなオーラで社内を満たし、新人を洗脳感化させるのも手、かな?

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